この仕事を選んだ理由は?

もともと子どもが好きだったので、子どもにかかわることがしたいと思っていましたが、大学時代に学習ボランティアとして天使育児園に来て、その時に子どもたちから「せんせい~」と可愛い声で呼ばれたりしたのがすごく嬉しかったです。大学の実習で他の施設に行ったりもしましたが、天使育児園で出会った子どもたちのために働きたいと強く思いました。限られた職員の方としかかかわる機会がありませんでしたが、先生たちと子どもたちの関係が「あったかい関係」だと印象付けられました。「こういうところで働きたいな」と思いました。私が学生のころは実習かボランティア以外では、施設について実際に知ることは難しかったので、ここでも体験は自分の進路を決定するのにとても役立ちました。

子どもたちに接するときに大切にしていることは?

子どもたちから見れば私が一番近い大人のモデルだと思うので、入職当初は良い見本を示さなければいけない、と頑張っていましたけれど、最近では逆に失敗している姿・うまく出来ていない姿を隠さずに、「大人でも失敗したり困っていること」を見せるのも大事だと思っています。子どもたちと約束していたことを忘れていたりする時には、素直に「ごめんね」と謝る姿を見せています。成功体験だけでなく、失敗体験も伝えることも大事かもしれないと思っています。

産休・育休から復帰されたばかりのママ先生として。

そうなんです。児童養護は24時間365日の施設ですから、私の先輩たちは結婚・寿退職という方が多かったですし、私もそんな風に思っていました。先代の園長先生や主任先生が、「先生が働くママの一人目として道を開いていかなきゃ駄目だよね」と言ってくれたので、職場のみんなに支えられながら、やっています。子どもたちから見ても「お母さんって、こういうものなのか」というのを見せられることも良い点だと思いますし、次に誰かが出産で続いてくれたらその時は私が支える側になって、それを順番に回していきたいです。


天使育児園を志望する方へのアドヴァイスをお願いします。

対人の職場なので子どもからも同僚からも学ばせてもらうことが多いです。大変なこともたくさんあります、それはそうでしょう、人間が生きているのですからね、でも何かが達成されたときの喜びも本当に大きいです。子供の成長を見るたびに、続けてきて良かったなあとしみじみ思えますが、何の仕事もそうでしょうけれど、最初は大変ですよね。つらいこともあるかもしれないけれど、それを上回る「喜び」がありますね。先輩に言われたことで印象的だったのは「プラス1」、つらいことが99あっても、良いことが100あればプラス1だよね、という言葉です。一歩を踏み入れるのに勇気がいる職場であるかもしれませんが、子どもたちの可愛さと成長に同伴できる「良い人生」だと思いますよ。