この度、誓願宣立２５周年の節目にあたって、同期の仲間と共にキリストの生涯の足跡をたどる聖地巡礼に行き、祈りの旅をさせていただきました。

　巡礼スタートはイスラエルで、各ポイントで聖書を紐解き、み言葉に耳を傾けながらゆったりとした時間を持ちました。現地の自然の中で聞くみ言葉は正に“百聞は一見にしかず”で、そこの地形・生活様式からなる日常の出来事の綴りであることの納得の連続でした。キリストの公生活の活動の中心であったこの地では、弟子を選び、忍耐強く神の国を語るキリストの姿を黙想し、一人ひとりへの招きである召命、そして自分に頂いた修道召命の恵みへの感謝を捧げました。

　ルルド では、天国の入口を拝見させて頂いたような、そんな厳かさを実感いたしました。貧者・権者・病者・聖職者・老者・若者が全く平等に神様に引き寄せられ、続々と集まり祈るその様は、神秘に包まれた雰囲気であり天国を想わせるものでした。この地は、特別に神様から祝福された土地であり、神様の優しさから来る人間へのプレゼントではないかな？と思いました。

誰もが異国語のミサに自由に参加し、恵みを共感し、互いの為に祈り合えているという確信をもてるということは、なんと素晴らしい事でしょう！　今も多くの人々の思いが込められたローソクの火が、天国へ真っすぐ上っていることでしょう。

元日は教皇ベネディクト１６世のミサに参加し、２ｍ程の近距離で教皇様を拝見出来、思わず涙している自分がいました。聖霊の充満を感じながら祈りに潜心した時間を過ごしました。

アシジ での恵みは、巡礼の締めに相応しく心を整えてくれました。聖フランシスコが生涯をたどりながら、キリストに魅了され真の宝を見つけた者の生き様を見せ付けられた思いでした。

“キリストが人々を愛した”その愛の心を自分にも願い祈った彼
“キリストが受けた苦しみ・痛み”を自分も感じたいと祈った彼

彼の受けた聖痕 は、釘穴の傷でなく釘の部分も肉が飛び出し、凹凸があった為に痛みが激しかったとの事。視力の損失・皮膚のただれ・・・・想像を絶する苦しみの中にも喜びがあり、キリストが愛弟子達と最後の晩餐を交わしたように、亡くなる数日前に会員達との最後の晩餐をしたとの事。これ程までにキリストに憧れ、キリストに倣い 見つけた宝をしっかり掴んだ聖フランシスコの生涯に心を打たれました。

私も真の宝がどこにあるのか知っているつもりですが・・・・せめて日常の生活にも隠された宝があることを意識し、一つ一つ拾い集めることで神様の御旨に従い、神様の国を知っている者として歩みたい、と思っている次第です。

信仰年という記念の年に、このような大きな恵みを頂けたことを心から感謝しております。

ガリラヤ湖の水辺を歩き、船出した時の感覚や感動 ・・・・一コマ一コマが聖書を味わう度によみがえり、これからの生活の中で喜びの便りとして受け取れる自分でいることで、キリストとの距離が少しずつ縮められていく事を願いつつ・・・。